英国の2019年12月製造業生産は7年ぶり最大の下落幅

フィナンシャル・タイムズとイネスによると、英IHS Markit/CIPSの2019年12月の製造業購買担当者指数（Purchasing Managers'Index、PMI）は11月の48.9から47.5に再び下落し、8カ月連続で50を下回った。多くの企業の生産活動が悪化し続けていることを示し、2019年末の英製造業は2012年以来最速で萎縮した。

特許調達・供給学会（Chartered Institute of Procurement&Supply、CIPS）グループディレクターのDuncan Brock氏は、世界経済の低迷と英国のEU離脱不確実性が企業投資と顧客信頼に影響を与え続けていると述べた。IHS MarkitのRob Dobson会長は、新規注文源が減少し、以前のEU離脱準備のための買いだめを消費する必要があるため、消費財生産がやや上昇しているにもかかわらず、製造業の他の製品の生産低下を相殺することはできないと述べた。

経済予測機関EY Item Clubのハワード・アーチャー首席顧問によると、2019年の英国製造業はEU離脱、国内政治、世界経済貿易などの不確定要素の影響を受け、国内外の需要が減少した。また、EU離脱を完了しても同産業には危機があり、英国メーカーはEU企業の海外移転サプライチェーンの問題に直面する可能性があると付け加えた。英中央銀行の調査によると、保守党の勝利後の英国のEU離脱不確実性は55%から49%に低下し、製造業活動は2020年第1四半期に安定すると予想されている。